リコー、ペンタックス買収!高値で購入したHOYA、4年足らずで売却


本日、リコーがHOYAよりペンタックスの事業を買収することを発表いたしました。
これにより、HOYAはペンタックス事業を売却し、デジカメ事業からは撤退する見込みとなりました。

日経新聞によると、買収価格は100億円となる見込み。

しかし、これで買収できたリコーにとってはデジカメ事業のシェアが広がる点では大きなメリットになります。
その反面辛いのはHOYAの方です。HOYAにとってはペンタックスを4年前の8月に買収した際は944億8,200万円で買収したのですが、大きな損失を認めざるを得ない結果となりました。
確かに医療機器関係とか遺伝子が残る部分もありますが、デジカメ事業を100億で売却するとなったのは非常に厳しいと考えられます。

特にHOYAの場合、ペンタックス買収によって会社が損失を被ったことにより創業者株主が経営陣を訴訟提起することをHOYA社内の監査委員会に求めていたわけで、その中でのペンタックス売却というのはHOYAにとっても痛い話ではないでしょうか。

その辺について手許にある資料を元にお話ししてまいりたいと思います。

元々、HOYAとペンタックスの経営統合というのは買収する前の年の冬から協議が行われておりました。
しかし、2007年4月にペンタックス側の株主の状況等を鑑みて、合併を取りやめTOBによる買収を検討するに至り、結局2007年7月に公開買付(TOB)を行い、8月に子会社化いたしました。
その後、合併を果たし、ここまではよかったのですが、買収後のHOYAの業績は買収を行った2008年3月期をピークに売上利益共に下落し、買収した効果というのは売上においても利益においても見られなかったのです。
その結果、株価も低位安定となり、買収時と比較して半額程度となり、創業者株主が訴訟提起することを求めるところにまで至りました。

特に、940億円超で購入した訳ですが、その時点におけるペンタックスの純資産は465億円。M&Aでは決して珍しくは無いのですが純資産の倍額以上で購入したことを追求するような形になってしまったのです。

特にペンタックスの場合、買収した2008年3月期こそ売上高は1,747億円を記録したものの、 その後2010年3月期には売上高1,061億円まで低迷し、セグメント変更とともに現時点でのペンタックスの売上高は表示しないようになりました。
また、買収時ののれんも2009年3月期に落とさざるを得ない状況にあったこともマイナス点だと思います。
会見資料から黒字化したということしか語られておらず、高値で購入したペンタックスが売上では貢献できず、赤字を継続し、最終的には4年で売却というのは決して褒められる結果ではなかったと言えるでしょう。
少なくとも、経営統合に1年掛けるほどの執念を燃やした割にはあっけない幕切れだったのではないでしょうか。 この辺株主にはどう説明するのかなと。

あっ!だから株主総会後に発表をしたのかな。と言われても仕方がないくらいジャストタイミングの売却のIRですね。
出来れば、優れたIRを行う会社としてはきちんと株主総会前に発表し、皆様からの質問を受ける体制は取って欲しかったかなぁというのが個人的な感想です。

とは言っても、940億円超で購入したものを100億円で売却して何も残らないわけではありません。
今回売却するのはペンタックスブランドとデジタルカメラ部門(イメージングシステム事業)のみであり、その他HOYAのメイン事業である医療関係及びデジタルカメラモジュール部門は残すことになるので売上の半分程度はHOYAに残った状態となるでしょう。タイトルでは他のニュース記事を追従する形で記載しましたが、実際はペンタックス全てを売却したわけではないということをご理解頂ければと思います。

参考までにペンタックスの買収時におけるセグメント情報を(2008年3月期第2四半期連結会計期間)
イメージングシステム事業 ライフケア事業 オプティカルコンポーネント事業 その他事業
売上高 428億52百万円 214億60百万円 184億60百万円 29億15百万円
経常利益 24億63百万円 16億32百万円 12億24百万円 △1億90百万円
こう見ても、約半分の売上に該当する事業は残存する見込みです(資料から追っているだけですが)。
そのため、売却によって約500億の売上へのインパクトにとどまるとは予測しております。
そしてのれん代の償却についても大半は終了しているものと思われるため、大きな損失は出ないと予測しております。
この辺はあくまでも予測の範囲内ですので、あくまでもリコー及びHOYAの発表をご参照下さい。

まぁ、今回の件では完全にトクをしたのはリコーでしょう。格安で自分が伸ばしたい場所を買収できた訳ですので。

さすがリコーなだけに利口なM&Aですね!(これだけが言いたかった)

詳しくは、HOYA WebsiteとリコーWebsiteをご参照ください。

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